うずら物語
【現代語訳】
ももしきの 大宮人は 鶉鳥 領巾取り懸けて 鶺鴒 尾行き合へ 庭雀うずすまり居て 今日もかも 酒水漬くらし 高光る 日の宮人 事の語言も 是をば
【解説】
(ももしきの)宮廷仕える者たちよ、鶉が肩にスカーフを掛けているのを真似て 鶺鴒が尾を交わすを真似て、また雀が蹲るのを真似て、今日ばかりは酒に浸るまで飲みに飲んで、輝く日の御子を讃えよう。と、まあ、こういうことだ。
ももしきの・・・「大宮」に掛かる枕詞
領巾取り掛けて・・・ウズラの肩から胸にかけて斑紋があるのを領巾(ひれ)、すなわちスカーフ、ないしショーツに喩えた。
現代語訳、解説引用文献「古事記」(池澤夏樹、2014)
【原書】「古事記」 著者【藤村 作】1875~1953年成立